はじめまして。米と麹のお結び屋 麴結(きくむすび)です。


麴結の握り手は3人の母親です。
それぞれ、3人・3人・2人の子どもがいて、合わせて8人!なかなかの子沢山なお母さんたちです。
この度、子供たちを産み育てたこの名古屋市緑区黒沢台に、完全無添加、出来る限り国産の材料にこだわり、具材も手作り、そして麹を用いたお結び屋を開店させていただきます。

8人の子どもたち、当然、どの子たちも個性豊かで、子育て中にはいろんなことがありました。
たくさん楽しい時間を共に過ごし、私たちをお母さんにしてくれた子どもたち。
一つ一つの成長をワクワクしたり、ドキドキはらはらしながら20年以上お母さんをさせてもらい、たくさんのことを考え悩み学ばせてくれました。

命を育てる中で、毎日向き合ってきたことの大きな一つは食べることです。
大切な人のために…そして後回しにしてはいけない未来の自分のために、気持ちの安らぐ、心と身体が喜ぶ食事の時間を楽しんでいただきたい
これが私たちの一つ目の想いです。

一つ目の想い 心と身体が喜ぶ食事の時間を

8人の子どもは、アレルギーがあったり、好き嫌いで食べられないものがあったり…。
それでも、栄養のバランスを取って健康に、そして美味しく食べてほしい。
世の中のすべてのお母さんたちは、毎日毎日ここに真剣に向き合って暮らしていらっしゃることと思います

長くなりますが、私の経験を聞いてください。

うちの子はアトピーが酷く、生まれて2か月目頃
きっと誰が見ても『かわいい~!!』とお世辞込みでも叫んでくれる時期に、そのあまりにもひどい状態につい口からこぼれるように、『可哀そう…』と言われていました。

実際、私が手を押さえていないと、まだうまく動かせない手を一生懸命動かし、背中も体中がかゆくてモゾモゾし続けていました。
ちょっと私がトイレに行って帰るともう血まみれ。はがれた皮膚が頭の周りにボロボロと落ちていて、トイレに行ったことを後悔するほどひどい状態でした。
一瞬でも離れられない私を心配して、実家の親がその瞬間だけでも腕を押さえられるように…と小豆枕のようなものを作ってくれました…

眠くてもかゆくて寝られない…。でも寝させないわけにはいかない。
寝かしつけるために、深夜のドライブ、主人とタオルケットでゆらゆらと一時間揺らしたり、抱いて揺らし階段の昇り降りを続けたり、保冷材でさすって熱を取ったり(でもこれはほてり返しが来るのでいい方法とは言えないけど、そうしないと掻く手が止まらなかった…)

どんどんステロイドが強くなるのにそれでもかゆみが抑えきれず、こんな小さな身体にどれだけ薬を使わなければいけないんだろうと、私も泣いて過ごしました。
運よく、いいタイミングで西洋医学以外の治療法に出会い、幸運にもそれが子どもに合っていたのでステロイドを塗り続けなくてもよくなりましたが、治療のために漢方薬を全身に塗って全身包帯をぐるぐる巻き、頭はさらにネットをかぶって玉ねぎのよう。
仕事に忙しい主人は当然手伝ってもらえないほぼワンオペ育児だったので、生まれたての次男と三人、泣きながらなんとか毎日を過ごしました。
子供たちを無事に生かすことだけが手一杯で、一番かわいい時期だったのに私にはほぼ何の記憶もありません…

食べ物のアレルギーは、今はほとんどなくなりましたが、当時は、肉・卵・乳製品・エビ・カニ・イカ・タコ・ホタテ・魚卵はNG。魚も青魚やマグロなどの赤身もダメで、白身の天然のものだけが食べられる状態。娘は一時はお米のアレルギーもあり、芋食を勧められました。
何を食べさせたらいいのか?何なら食べられるのか?どうやってバランスを取るのか?ずっと考え続けました。

幸い、素敵な幼児園に出会い、そこで園長さんやスタッフの方々、お母さんたちに支えてもらい、いろんなことを親子ともども体験して、ようやく息ができるような感覚が戻ってきました。
そもそも、この幼児園をみつけたきっかけは禅宗のお寺の境内にあったので菜食メインだったから。いくつか幼稚園の見学に行ったのですが、子供のアレルギー事情を話したときに、ほかの園では『対応できないので給食センターに問い合わせてください』とか、『では、お弁当でお願いします』という、対応策の話しか出なかったのに、この園の園長だけが『○○も同じものが食べたいよね』と子供の気持ちに寄り添ってくれたからでした。

幼児園はお弁当でしたが、週に2回、お母さんたちが交代で給食を作る日がありました。お母さんたちも制限の多いうちの子のために、何が食べられるか?を考え手をかけてくださいました。
友達の家に行くときには全員分のお菓子を持たせるものの、やはりアレルギー用のお菓子は素朴なものが多く、きらきらとしたお菓子が食べたいほかの子たちに我慢を強いていることが申し訳なく思っていました。
そんな中で、一人のお母さんが『うちの子がね、○○君が今日来てるから、うちのお菓子は今度にしよ!って言ったの。〇〇君のおかげでうちの子がやさしくなったの、ありがとう』と言ってくれて、本当に救われました。

私自身も、自然食品店をはしごして食材を集め、当時はまだあまり知られていなかったマクロビオティックを学びました。
小学校に入ってからは、給食の献立を見ながら、ロールパンならロール型に、食パンなら食パン型にパンを焼いたり、学童のクリスマス会に合わせてそれっぽいケーキを焼いたり。
当時は今ほどアレルギー対応のパン屋さんやケーキ屋さんがなかったので、本当に美味しくはないんだけど、手だけは必死にかけながら育ててきました。

また、ステロイドを多用したため、薬が効かなくなることや、むしろ排毒が起きてるつらくなる恐れもあったため、薬に頼らない本当の健康について考えたり学んだりしながら今に至ります。

そうは言っても、毎日毎日完璧な食事が用意できるわけはなく、『ごめんねー』と思いながら食事を用意したこともたくさんあります。

そんな子育て期間を過ごしたことで、何よりまず一番最初に大切にしなければいけない自分自身が後回しになり、大事にしないことが癖になってしまいました。
長くため込んでいたストレスによるものか、私は10年くらい前に指定難病の膠原病の皮膚筋炎と間質性肺炎を患いました。
顔や手の皮膚がボロボロになり、敏感になりすぎて炊飯器を開けたときの湯気が痛い。当然、我が家の味のお結びも握れなくなりました。
日々筋力が落ち、自分の腕が重くてぶら下げていられない。寝るときもうでを置く位置を考えないと苦しくて起きてしまう。外出しても傘の開閉が出来ず、友人と一緒に歩いてもどんどん遅くなってしまう…。
咳が止まらず、息が肺に入ってこなくて、一単語が話しきれなくて会話もできない…。
トイレに行ってボタンがかけられなくなった時、この歳で下の世話になるのは生きてるのつらいなぁと思ったこともありました…

私は幸運にも、たくさんの人に支えてもらう中で、子どもたちと過ごす時間のために絶対治ると決めたこと、こんなつらい病気でもなった意味がありそれによってもらえることがあることにも気が付いて病気自体に感謝できるようになり、病院の先生が驚くスピードで回復しました。
『飲み忘れたら倒れるから絶対に飲みなさい』と脅されていたステロイドも飲まなくてよくなり、難病申請も取り下げ、今はそんなことはなかったくらいの生活を送っています。

麴結はそんな私のご恩返しと、ぜひ皆様に知っていただきたい本当の健康を伝える場所です。

食事を、自分を、大切な人を、今を、大切にしないことは未来にまた支障を起こします。
薬に頼らない本当の健康、それがあってこそ、ご自身や大切な人の人生が輝きます。
薬に頼らない本当の健康は、水・空気・食事といった身体に取り込むものや、環境・考え方や言葉遣いといった目に見えないけど自分を支えてくれるものの影響を大きく受けます。

きっと誰もがその大切さは言われなくても十分に分かっていますが、毎日毎日、手作り・無添加なんてことはできません。
麴結では、ごめんねーと言いながら後回しにしない、罪悪感のない食事をご提供いたします。
ご自宅で、ご自身で作れないとき、安心して一食が任せられる外食やテイクアウトの一つとして麴結を選んでいただき、ほっとした時間を過ごしてほしいと思います。

具体的には、出来る限り、国産・無農薬や有機農法の素材を使用し、素材そのものの旨みを増してくれる麹を使用します。
簡単に見た目や味を調えてくれる添加物や、腐らせないための保存料に頼らず、一つ一つの具材を丁寧に手作りします。

あまり馴染みのないもっちりとした食感や優しいお味に、最初は添加物で鈍感になってしまった舌や脳みそが美味しいと感じないかもしれません。
麹を使うことでお米が少し黒ずんで見えるかもしれませんし、また時間の経過でさらに食感や風味が変わることにも驚かれることでしょう。
しかし、食べ続ける中で、生きている味わいに命と細胞が美味しいと感じてくれるようになるはずです。

アレルギーのある方のために、アレルギー表記をしています。
コンタミネーションが気になる方はお声掛けください。できる限り丁寧な対応をさせていただきます。
私がそうしてもらって心が救われました。遠慮なくお申し付けください。
今、その問題に向き合っている方の気持ちが少しでも安らぎますように…。
また、麴結がアレルギーで悩む方のコミュニティの場として使っていただけたら幸いです。

2つ目の想い 未来に残したいものを


2つ目の想いは、出来る限り、脱化学物質、脱プラスティックをすることで、健康な未来の地球や自分たちの本当の健康を目指すことと、未来に誇れる未来に残したいものを大切にすることです。

今、巷ではおにぎりが一大ブームですが、コンビニエンスストアや大手チェーン店などでは工場のような生産工程で手軽に美味しくするための添加物や、行き過ぎた清潔を手に入れるために野菜をたくさんの消毒薬(次亜塩素酸)で漬け込んだり、何日も腐らないようにするための保存料を使用しています。
今大人気のふわふわのおにぎりには、ふわふわになるように、お米同士がくっつかないための添加物を加えることまでします。

もちろん、腐ってしまっては体に害があるでしょう。
しかし、人間には味覚や嗅覚というセンサーがあります。どんな薬より素晴らしい免疫力があります。
行き過ぎた消毒や保存料はそれらを壊してしまいます。

人間は地球で自然とともに生きるものです。
化学肥料でそだてられたお米が腐り、有機肥料で育てられたお米が枯れるのを見せていただきました。
人間も同じです。まずは入れないこと。それが本当の健康につながります。

具体的には、無添加の食材でできる限り具材も手作りし、人間の手のぬくもりを大切に結ばせていただきます。
使う消毒用アルコールは食用のもののみします。

本当は素手でのお結びにこだわりたく、握り手の間でも議論していました。
しかし、熟成させると味が変化することを安心して楽しんでいただきたく、苦渋の決断で直接手で結ぶことを諦めました。 
麹が生み出すたっぷりの酵素がほめにも具材にも含まれており、保存料に頼らないため麴結のお結びは生きているように風味を変えます。味が柔らかくなったり、素材のうまみが増す楽しみを感じていただきたいと思います。

素手の手結びでしかこめられないものがあります。
ぜひ一度、ご自宅でご自身や大切な方のために結ぶ際にラップを使わず、直接手結びを試してみてください。
同じ具材・同じお米・同じ握り方をしても味が変わることがわかるかもしれません。

本当の健康は無菌状態を目指すものではなく、自然界に共存する菌とともに、さらに健やかに暮らすことだと考えます。
ご自身の免疫力を高め、どんな環境でも健康に過ごせるようになるのは日々の生活です。
飲食店の経営という意味で保健所の要請もあり、我々の応援は手結びの点では及びませんが、皆様の本当の健康を願っています。

包装材も立派なプラスティック容器は見た目もいいし、つぶれにくくてとても良いのですが、出来るだけ簡素なパッケージにさせていただきます。それにより、ごみの減量をし、未来にできるだけ負荷が起きないようにします。
また、簡素なラッピングだからこそ、手に持った時のぬくもりや、しっとりとした重さが伝わります。


たくさんの生産者が大切に作った食材への想いもご理解いただけると嬉しいです。
私たちが長年、家族や自分の健康を守るために選んできた生産者さんたちと繋がることが出来ました。どの生産者ンたちも思いがあり、信念をもって、未来に残したいものを作っていらっしゃいます。ぜひ応援してあげてください

ご購入いただきますお結びは柔らかいうえに、当たり前に痛みもやってきます。
『mottainai(もったいない)』という日本の言葉も残していきたいのですが、傷んだものを召し上がっていただくのは良くありません。
ご自身や大切な人を思い起こして、つぶれないよう、また痛まないように大切に扱い、高温多湿での保管を避け、お早めに美味しくお召し上がりください。

3つ目の想い やりたいこと・やるべきことをやる

3つ目の想いは年齢関係なくやりたいこと、やるべきことをやる姿を子どもや同じような環境の方に見ていただくことです。

握り手3人は50代の女性です。
少子高齢化が進み、労働力不足と言われても、50代女性が新しい環境で仕事や本当にやりたいことを見つけて実際にやることは本当に大変です。
開業するなんて思いもよりませんでしたが、自分たちのやりたいことに近づくために一つ一つ手探りで進んで行きます。これは開店後もずっと続く道です。

どの年代でも、自分のしたいことをして形にしていくのは大変です。
私たちが進む姿が、諦めの悪い姿として子どもたちの応援になれば最高にうれしいですし、同じような境遇の方の参考になれば幸いです。

目指せ!海外進出!です。この素晴らしい日本文化を海外の方にも伝えられるような私たちになりたいと思います。
応援よろしくお願いいたします。